旧江戸川乱歩邸リニューアルオープン記念
「江戸川乱歩DAY」開催報告

立教学院

2025/06/04

トピックス

OVERVIEW

5月18日(日)、池袋キャンパスにて「江戸川乱歩DAY」を開催しました。旧江戸川乱歩邸※1のリニューアルオープンを記念して企画された本イベントでは、改修工事を終えた邸宅の先行見学会をはじめ、アニメ『名探偵コナン』に関連したトークショーや、江戸川乱歩にまつわるメニューの提供など、さまざまなプログラムを催しました。

※1 旧江戸川乱歩邸:池袋キャンパスに隣接し、作家?江戸川乱歩が亡くなるまでの約30年間を過ごした邸宅は、書庫として使われていた土蔵(豊島区指定有形文化財)、約2万点の蔵書?資料とともに、2002年に立教大学が引き受けました。2006年には江戸川乱歩記念大衆文化研究センターを設立し、研究?保存?公開を進めてきました。2024年5月からは、立教学院創立150周年記念事業の一環として「旧江戸川乱歩邸施設整備事業」を実施しました。

イベント当日の正門付近

旧江戸川乱歩邸の入口

『名探偵コナン 乱歩邸殺人事件』上映会+トークショー『名探偵コナン』と乱歩の邂逅

会場の8号館教室は、江戸川乱歩や『名探偵コナン』のファンで満員になりました。開会式では、福田裕昭立教学院理事長、西原廉太立教学院院長?大学総長、江戸川乱歩(本名?平井太郎)のご令孫である平井憲太郎さんから、それぞれあいさつがありました。

続いて、2024年11月にテレビ放送された、旧江戸川乱歩邸および立教大学が舞台となったアニメ『名探偵コナン 乱歩邸殺人事件』の前後編を上映。その後、『名探偵コナン 乱歩邸殺人事件』の脚本家である大倉崇裕さんによるトークショーを行いました。乱歩作品への思いやアニメ制作にまつわるエピソードの数々に、約500人の参加者で埋め尽くされた会場は大いに盛り上がりました。

江戸川乱歩記念大衆文化研究センター特定課題研究員の後藤隆基さん(左)と大倉崇裕さん(右)

アニメの制作裏話に会場は笑い声が絶えなかった

公開シンポジウム「戦後80年 江戸川乱歩と戦時下の豊島区—乱歩旧蔵資料を用いた地域史研究の連携に向けて」

午後に行われた公開シンポジウムでは、日本学研究所研究員の髙野奈保さん、立教学院展示館学術コーディネーター/学芸員の豊田雅幸さんからそれぞれ発表。戦争で執筆ができない時期に乱歩が残した「戦時下資料」とともに、戦時下において町会活動に熱心に取り組んだ姿が紹介されました。その後、髙野さん、豊田さんに加え、豊島区立郷土資料館学芸員の横山恵美さん、江戸川乱歩記念大衆文化研究センター長の金子明雄文学部教授、同センター特定課題研究員の後藤隆基さんが参加し、「乱歩旧蔵資料による地域史研究の連携の可能性」というテーマで討議を行いました。

プログラム後半に行われた討議の様子

江戸川乱歩ビブリオバトル もっと乱歩の世界へ

11号館のロビーでは、「立教ミステリ?クラブ※2×ワセダミステリ?クラブ※3共同企画『江戸川乱歩ビブリオバトル※4もっと乱歩の世界へ』」が行われ、立教大学と早稲田大学の学生が対決。立教大学の隣をついのすみかとした乱歩は、早稲田大学で学生生活を送りました。乱歩と縁が深い両大学の学生が、お気に入りの乱歩作品を持ち寄り、熱の込もったプレゼンテーションを繰り広げました。後半には立教ミステリ?クラブ設立者である戸川安宣さん(1970年文学部卒業?東京創元社元社長)と両大学のクラブ代表を交えたトークイベントを実施。クラブ創立にまつわるエピソードなどに、約200人の観覧者は耳を傾けました。

※2 立教ミステリ?クラブ:1966年、立教大学に在学していた戸川安宣さんが中心となり、江戸川乱歩のご子息である故?平井隆太郎さん(立教大学名誉教授)を顧問として設立。
※3 ワセダミステリ?クラブ:1957年に乱歩を顧問に早稲田大学で発足。活動歴は60年以上にわたり、数多くの作家?評論家等を輩出している。
※4 ビブリオバトル:登壇者がお気に入りの本の魅力を1人5分間で発表し、質疑応答と投票を経て「どの本が一番読みたくなったか」を決定する書評イベント。今回は立教ミステリ?クラブとワセダミステリ?クラブのチーム対抗戦で実施。

立ち見が出るほど盛況で熱気に包まれた会場

左から茂木さん(立教ミステリ?クラブ代表)、小島さん(ワセダミステリ?クラブ代表)、戸川さん

江戸川乱歩にまつわるグッズや飲食物の販売、キッチンカーの出店

キャンパス内では、乱歩関連グッズやキッチンカーでの飲食物の販売がありました。9号館1階食堂では、乱歩にまつわるメニューとして、乱歩が愛したカレーがあったというフィクションをもとにした「乱歩が愛した咖喱」や、20種類の具材が詰まった「二十面相あんみつ」などを提供しました。

ポストカードやハンカチなど、さまざまな乱歩関連グッズが販売された

「乱歩が愛した咖喱」。謎解きの挑戦状付き

旧江戸川乱歩邸 先行公開

5月19日(月)の一般公開を前に公開された旧江戸川乱歩邸には400人を超える人が訪れました。乱歩が暮らした母屋と洋館の改修に加え、「作家?乱歩と人間?太郎、二つの人生に出会う場」をコンセプトに、貴重な資料を閲覧できる展示室や、当時の暮らしを再現したスペース(展示室2)などを設置。生まれ変わった邸宅を、来場者は興味深く鑑賞しました。

展示室1—乱歩の生涯と作品—

展示室2—乱歩の暮らしと執筆—

「江戸川乱歩DAY」のほか、池袋キャンパス近隣の東武百貨店池袋本店や池袋駅周辺では5月15日(木)から6月末までの期間、体験型アトラクションなどのミステリーイベントを実施する『としま乱歩フェス』を開催しています。

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